2008-08-14から1日間の記事一覧

川端康成『愛する人達』〜静謐なる成熟(1)

ある年齢になって初めて、堪能できる文章というものがある。 ぼくにとって、川端康成とはそういう作家の一人。谷崎のような絢爛豪華さや、三島のような豊穣な意匠も、川端さんの文章にはない。 しかし、一見何気ない、ひらがなの文章の奥に、静謐な成熟とで…