2009-05-11から1日間の記事一覧

川端康成『舞姫』(新潮文庫)(2)

皇居のお堀端をたゆたう一尾の白い鯉(こい)。 小説の冒頭、その鯉にまつわる場面がある。元人気バレリーナの波子が、恋心をいだく竹原と皇居周辺を散策している。しかも、皮肉屋の夫に見つかりはしないかと、神経質になっていた彼女は、皇居のお堀端で一尾…