2011-10-26から1日間の記事一覧

山内令南著『癌だましい』(文藝春秋)

読み終えたとき、ロシアのマトリューシカという人形が思い浮かんだ。開けても開けてもより小さな同じ人形が出てくる、あれだ。 小説は身も蓋(ふた)もない。祖母や両親を次々と癌で失ってきた、40代半ばの独身女性が食道癌を発症する。彼女の唯一の趣味は…