2014-07-20から1日間の記事一覧

ブーメランのように 〜堀川恵子『教誨師』(講談社)

木内三郎が処刑されたのは、それから暫くしてからだ。 ひらがなとカタカナをすっかりマスターし、漢字を幾つか覚え始めた頃だった。最後の瞬間まで大きな体をブルブル震わせて、両目なみなみと涙を溜めていた。 すべてが終わり、冷たい地下室に下りると、す…