music

紅白に2人で出てほしいねん! 椎名林檎&宮本浩次「獣ゆく細道」

しびれにシビれた。テレ朝「ミュージックステーション」の椎名林檎と宮本浩次のコラボ。昭和モダン風な椎名の楽曲の手のひらで、変テコとシュールの境界線を突っ切るような宮本のダンスが見事。草食の時代に「獣」という言葉を歌で投げ込む椎名の感性と、宮…

「夜のメロディ」〜曽我部恵一詩集

この詩集の中で一番のお気に入り。「ねぇ」「もう」「そう」や、「からっぽ」や「ひらひら」と言ったひらがなのリズムが、艶っぽさと切なさをそこはかとなく漂わせて、二人の揺れうごく心象風景を切り取っている。

ゆく夏を見とどける歌

サニーデイサービス「アビーロードごっこ」(スローライブ 池上本願寺1日目・8月31日) 初めてのくせに、もう病みつき寸前のジェットコースターみたいだ。スローライブ池上本門寺初日。3番目のトリで登場した、お目当てのサニーデイサービスの1曲目から…

汲めども尽きぬもの

31周年目のバンドの新曲とは思えない、エレカシの『Easy Go』。前例踏襲をきっぱりと拒む猛々しさに、ブラウン管を通して気圧される自分がいた。NHK-BSの『The Covers』で初めて聴いた。カッチョイイ〜〜。 表現っていうのはなぁ、オメェ、こういうことなん…

したたりおちるうた(あいみょん in 六本木ヒルズアリーナ)

夕方の空の下、彼女の唄声がきれいに伸びて広がる。セーラー服で飛び降り自殺した女の子を素材にした、『生きていたんだよな』でオープニング。 「(前略) 精一杯勇気を振りしぼって彼女は空を飛んだ 鳥になって空をつかんで 風になって遥か遠くへ 希望を抱…

言葉が歌に届かない〜Bon Iver『For Emma Forever Ago』

シャンパンタイム〜矢野顕子&YUKI(zeep divercity tokyo)

「林檎っこの気持ちは よ〜ぐ わ〜がる 林檎っこ めんごぃや めんごぃや 林檎っこ~♪」 YUKIが舞台に登場して、矢野さんの伴奏でいきなりこの曲を歌い始めたときは、青森育ちの矢野さんへの少しヒネッたオマージュかと思ったが、ちがった。YUKIは函館育ちで、…

「『黄昏のビギン』の物語」〜日常が微熱をおびるとき

「黄昏のビギン」の物語: 奇跡のジャパニーズ・スタンダードはいかにして生まれたか (小学館新書)作者: 佐藤剛出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/06/02メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る 2時間走の疲れをとろうと風呂をわかす。ネットラ…

『インテルメッツオ』

きょうみたいにきっぱりとした冬の青空をながめながら、グレン・グールドの演奏でブラームスの「インテルメッツオ」をきく。しばらくすると息がふかくなり、肩の力もぬけてくる。弥勒菩薩のアルカイックスマイルのような旋律は、胸の奥をとてもしんとさせて…

斉藤和義『ずっとウソだった』

YUKI『ファイブスター』〜生と死を見すえてこそポップソング

白はそれだけでも、もちろん白。だけど、その隣に黒があることによって、白としてさらに輝く。まるで同じことが、生と死についても言える。 哀しくって 泣いてばっかりいたから 芽が溶けて無くなった 秋になり また 冬になり ひとつ年をとった 遠くまで 逃げ…

NHK総合「HASライブ」〜静かな湖面に立ち上がる凍れる青き熱情 

ひさびさに夕方、走る。走り出してすぐに、右太腿の張りを感じる。そのため終始、慎重に低速で走る。いわば慣らし運転。体調は毎日微妙に異なることが走ることでよくわかる。昔にくらべて、そういう変調により敏感になっているのは、体力的な衰えのせいだろ…

NHKBS「尾崎豊没後15周年」2時間SP〜君は思うように生きているかぁ〜!

ブルーハーツの「リンダリンダリンダ」と、尾崎豊の「十七歳の地図」を初めて聴いたときの衝撃は、今でも忘れない。その表現の切実さと巧みさは、雄叫びのようなヴォーカルとともに、たしかに僕の胸に突き刺さったから。 先日も友人と食事してから、久しぶり…

友人シエスタの新たな展開〜ブーシュカの歪み 

白という色を、より輝かせるのに黒を合わせるという方法がある。白という色は、それ一色だけだと、「白ける」あるいは「白々しい」にもなりかねない弱さをあわせもつからだ。死や闇を思わせる黒と対比することで、光や純粋とつながる白がより映える。 ひさび…