チャリンチャリン商売は売っちゃダメ

rosa412004-03-25

 松下電器のあかり安心サービスって知ってる?工場や事業所など大量に蛍光灯を使う法人を対象に、蛍光灯の物販ではなく、蛍光灯で明るく照らすという機能をサービスすること。えっ、じゃあ蛍光灯のレンタル事業かって?似てるけど違う。
 環境問題への対応として、廃棄物処理法という法律が成立。企業は購入した蛍光灯の廃棄処理を自腹で、処理業者に委託、責任をもって蛍光灯に使われる水銀などはきちんとリサイクルする義務を負っている。下手すると多額な罰金まで取られてしまう。 
 あかり安心サービスは、消耗品を随時交換して明るく照らす機能を維持するだけでなく、この面倒かつ責任重大な廃棄物処理までを代行する。その費用を月割りで算出するという手数料ビジネスなわけ。といっても2002年4月からサービス自体は始まってるから、知ってる人も多いかもしれない。(でも僕はこの取材が決まって、資料を読んでから初めて知ったんだけどね(^@^)
 蛍光灯というハードを、常に職場が明るいというソフト(あるいはコンテンツ)に変換してサービスにしてしまった点が面白い。しかも扱っているのは旧態依然たる差別化しにくい商品。それを手品みたいに、実にユニークかつエコロジカルなサービスに変身させた。アイデアひとつでだ。素晴らしい!
 今日、そのビジネスを考案した人に会ってきた。蛍光灯なんて差別化しにくいハードをソフト化した人は、こう言った。
「寝てても賽銭みたいに、お金がチャリンチャリンと入ってくる商売は、モノを売っちゃあダメなんですよ」
 言葉にすれば実に簡単だけど、作ってナンボのメーカーで、この着想はそう簡単ではない。だって、まずは自己否定、現状否定から始めないといけないから。でも、いったん、否定してみるところから見えてくるものも確実にある。あかり安心サービスはそんなことを雄弁に語っている。
 今のあなたなら、何をどう否定してみますか?そこから、どんなものが見えてきますか?僕も考えてみます。皆さんもコメント下さい。