橋本きよ子写真展「花のフォトグラム」写真文化会館

rosa412004-04-04

 うろ覚えだが、「妖艶な美女の舞いに、骸骨の踊りを見ぬく目をもちたい」と書いていたのは、むのたけじ氏著『詞集たいまつ』の中だったかなかな?
 橋本さんの写真展を観ながら、そんな一節を思い出した。彼女は印画紙から手作りされるため、一期一会の作品ばかりだ。ぼくのアンテナにある「ミチクサ日記」(id:a2004)で知って出かてみけた。(写真展は本日終了)
 それぞれの色彩が覆い隠してしまう草花のフォルム(形状)にこそ焦点をあて、モノクロームの陰影の中で描写する作品だ。たとえば「Google」で月下美人をイメージ検索して、上の橋本さんの作品「月下美人」と見比べれば、その繊細さや優美さがよくわかる。
 自分の仕事に引きつけていうと、書き手にとっての人物描写とは、もっぱら、いくつかの光景とその人の言葉、あるいは時代や社会背景の順列、組み合わせの中で行われることが多い。
 でも橋本さんみたいに、そのどれかを捨ててみたり、あるいは全然違う要素を入れてわざとかき乱してみたりして、その人物にどれほど迫ることができるのか。そんなアプローチを試してみるのも面白いかもなぁと思う。
月下美人の画像)
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Cosmos/3749/gekkabijin3.jpg