ベトナム戦争化するイラク民衆VSアメリカ

rosa412004-04-06

 アメリカは底なし沼に足を踏み入れた。中東のテレビ局アルジャジーラによると、イラク駐留米軍は5日夜、イスラムシーア派強硬派指導者ムクタダ・サドル師が立てこもっているとみられる中部のクーファに進軍し、包囲する形をとったらしい。
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/
 おそらくイラクで暮らす人たちから見れば、アメリカ軍は、見るもの聞くものすべてに「テロリスト」のレッテルを張り、めくら撃ちしているに等しいだろう。仮に今回一部のシーア派を圧倒的武力で一時的に鎮圧しても、暫定統治後の状況をみれば、ゲリラ戦は今後も続く。
駐留米軍イラクを暫定統治して約一年、治安は安定せず、むしろイラク国内のスンニ、シーア両派と駐留米軍の関係は悪化している。ベトナム戦争並みの泥沼だ。ブッシュが大統領選挙で負けて、たとえ民主党政権が誕生しても、ここまで泥沼化した戦争をいきなり止められるだろうか。
 大量殺害兵器はいまだ見つからず、戦争の大義も見えないままのモグラ叩き状態だ。すでに米軍兵士も600人超死んでいる。
 そして日本の自衛隊員に危害が与えられれば、外交オンチの内弁慶(ひきこもり)首相はとりあえず強弁するだろうが、危害状況が悪化すればするほど、追い詰められていく。
 アンテナにある「オンライン日記」で武田徹氏は、米英は引っ込んで国連の枠組みを借りるべきだと発言している。
http://162.teacup.com/sinopy/bbs
 だが今さら、そんなことが可能だろうか。外交オンチの内弁慶首相同様、国際政治なんて対岸の火事だと思っている私やあなたも、否が応でも、お下劣なアメリカ大統領に加担、追随している国の人間だという現実と向き合わざるを得なくなる。
 JRなどの駅からゴミ箱がなくなり、近頃、見慣れない警官数名を見かけるなぁ程度の話じゃ済まなくなる。「オレ(ワタシ)はカンケーねぇよ」と言っていられる時代はとっくに終わっている。
 黙認すること、知らないふりをすること。それがイラクでの人殺しを肯定し、そうじゃない国から見れば、それに加担している一味と見られてしまう。そんな当たり前の視線に、もっと自覚的でなければと思う。

追伸)柄にもなく、冒頭のニュースに反応して熱くなってしまった。アンテナにある「国際ニュース解説」の田中宙さんが一連の出来事についての分析を行っている。ご存知の方も多いと思うが、海外メディアの論調をもとに、彼なりの見解をのべている。イラク内の状況、アメリカ軍統治機構側とシーア派の関係など、具体的でわかりやすい。関心のある方は参照して下さい。
http://tanakanews.com/e0406iraq.htm