『葉隠』を体現する男、ラブリー福ちゃん!

rosa412004-04-28

1710年から7年間にわたって聞き書きで作られたという山本常長著『葉隠』。この本は「武士道とは死ぬことと見つけたり」という言葉だけがあまりに有名だ。
 しかし三島由紀夫の『葉隠入門』(新潮文庫 ASIN:4101050333)を読むと、「世界は皆からくり人形なり。幻の字を用ひるなり」という一節を引用した上で、三島はこう書く。
「常長は、たびたびこの世をからくりであると言い、人間をからくり人形であると言っている。彼の心の底には深い透徹した、しかし男らしいニヒリズムがあった」
そこで話題は福田官房長官に一気に飛ぶ。なぜなら、上記の『葉隠』のニヒリズムを、この約300年後の平成の世に一手に引き受けてみせたのが、彼だからだ。
 皆さんもよ〜くご存知の年金問題。彼より先に国民年金未納が発覚した江角マキコのときには彼はこう述べている。
「『あえてそういう人を選んだのか。私もちょっと測りかねますね』と皮肉を交えながらあきれ、『深刻な話ですよね。ちょっと間の抜けた感じもするけどね』と憂慮してみせる」
 たぶん、彼はこの時点で自分も3年以上国民年金未納だったことを自覚していた。つまり、これは前フリだったにちがいない。
 そう、彼はわざと江角をこき下ろすことで、官房長官のくせに、未納な自分をより厳しく律しようとした。他人を非難しておいて、てめぇだって同じ穴のムジナじゃねぇーかと、より厳しくパッシングされることを自ら望んだのだ。カッコイイ〜!男だねぇ。
 つづいて三閣僚の国民年金未納が発覚した今月23日は、自身の年金納付について聞かれて「60歳では納付していた」とトンチンカンな答えをして、さらに記者が追及しようとすると、後は「個人情報そのものじゃないか」と回答を拒み、「(国民年金の未納は)犯罪ですか』と開き直りともとれる態度に終始したという。(東京新聞4月28日号から引用)
 憎い。ここでさらに自ら前フリして、悪役度を高める工夫をしている。ここですんなり認めては、中途半端な悪役に終わってしまう。彼の透徹したニヒリズムは、何よりもそれを拒んだ。素晴らしい。
 今日の国民年金法案の委員会採決までは知らぬ存ぜぬで通して、委員会採決された夕方頃、一転して「私も未納でした」とようやく種明かししたのだ。しかも3年数ヶ月と、他の未納閣僚より長かったりする。素晴らしい!
 選挙で選ばれたオレ様だって、この程度のもんさというニヒリズムが、世の中なんてこんなふうにカラクリだらけなんだよぉ〜、という彼の雄叫びが聞こえてきそうだ。
 彼はその身を勇気をもって投げ打ち、「世界は皆からくり人形なり」を見事に体現してみせた。まさに「武士道とは死ぬことと見つけたり」だ。政治家として実にあっぱれに死んでみせた。
 カッチョイイ!自ら世間の笑いものになることを決意した上での、知らんぷりー>質問拒絶ー>懺悔という展開も憎い。その近頃めっきり悪人面に近づいてきたサル顔もステキ!ラブリー福ちゃん、レッツ・ゴー!