魔女狩り社会で、最後に笑ったのは誰か

rosa412004-05-11

 この加熱ぶりが気味悪い。テレビ、新聞がこぞって魔女狩りに参加していて、それを制する者がいない。みんなで寄ってたかって、嬉々として個人を袋叩きにして溜飲を下げている光景が、たまらなく気味悪い。
 イラクで人質にされた日本人を「自己責任論」で袋叩きしたときと似ている。あのときも、PKOの原則を踏みにじり、「非戦闘地域だから」と強弁して、自衛隊を派遣した首相の責任こそが問われるべきなのに、「責任論」の矛先は、日本人の人質や家族に向けられた。
 その後、「自己責任論」はゆり戻しが起こったが、結局、今回の騒動を見ていると、何の学習効果も見られない。要は「面白ければ、何だっていいじゃん!」「誰かを袋叩きすりゃ、スカッとするからさ」というだけ。
 ”ラブリー福ちゃん”は辞任した。当然だと思う。(id:rosa41:20040428)彼は自身の未納の事実を知っていた、確信犯だからだ。一説には約8年間とも伝えられている。
 官房長官という重責にあり、その年金改正法案の審議中、未納の事実を知りながら、記者団の質問を恫喝してさえぎり、いったんは未納の事実を握りつぶそうとした。その責任は重い。 
 だが民主の菅代表の未納は、辞任が必要なほど悪質なのか?厚生大臣就任時に、国家公務員共済組合に加入した際、年金も一括なのだと勘違いしていての10ヶ月間の未納だ。
 どうも、自民党を「未納○兄弟」と非難していて、一転、自らの未納が発覚すると謝罪せず、行政のせいにしたのが、メディアの神経を逆なでしたようだ。
 しかし、それらは辞任に値するほどの失態か?ここまで袋叩きされるべき重罪なのか? 一方、自民党の中川経産相は日本興行銀行を退職以降20年間の未納。麻生総務相は、経企庁長官時代に、国民年金に切り替えず、3年10ヶ月間の未納。石破防衛庁長官は長官就任時に国民年金に切り替えず1年5ヶ月間の未納だ。さらには三閣僚の未納も判明、谷垣財務相まで未納だったといオマケ付きだ。彼らは、福ちゃんが詰め腹切ったから、無罪放免でも平気なわけ?自民党民主党で一人ずつ辞任すれば、おあいこってわけ?
 自民党の安部幹事長の発言を見れば、政治家が大臣就任後に国家公務員共済組合の加入時に、年金と一括だと錯覚しがちな側面がわかる。以下、日経ネットより引用。
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt68/20040428AT3L2805628042004.html 
 この日経ネットも8日の時点から、菅の10日辞任を報じていた。土曜日あたりから、「ほら辞めろ」「さあ辞めろ」の空気ができあがっていた。
 そして、現役世代の手取り収入の50%以上の給付を維持すると一応いわれている、年金法案が衆議院を今日通過した。
 東京新聞の朝刊は、10日の政府・与党連絡会議での小泉首相の発言を伝えている。
「各重要法案は整然と処理したい。民主党が混乱しているが、付き合う必要はない。与党の責任を果たしたい」
 この魔女狩りで、最後に笑ったのは誰だったと思いますか?皆さんのご意見をお寄せ下さい。
追記) 
左アンテナにある武田徹さんのオンライン日記(5月10日分)でも、勝谷誠彦さんの日記を踏まえて、今回の騒動への意見が書かれています。興味のある方はご参照下さい。
http://162.teacup.com/sinopy/bbs
勝谷誠彦さんのweb(10日分を参照)
http://www.diary.ne.jp/user/31174/