グレン・グールド演奏の「バガテル」〜それが一瞬でぼくにストックされた夜
もう、ずいぶん昔に買ったのに、思い出したように聴いてみると、すごく心に沁みる曲や歌ってある。
強風から夜には雨になった今日、食後に仕事部屋で、先日買った白洲さんの文庫本を開きながら、BGM代わりに聴きだしたグレン・グールドの「バガテル(6 BAGATELLES,Op.126)」が、まさにそれだった。
そのピアノの旋律のきれいさ、切なさ、純粋さに、「えっ」とつぶやいて、思わず文庫本を閉じ、CDの解説を見た。さっそくMDにダビングしながら、「グーグル」で検索。するとこの「クラシック音楽夜話」のサイトがヒット。
http://www.musiker21.com/yawa_op58.html
実にわかりやすく端的な解説。とりわけ、ぼくが一番気に入ったのが、この変ホ短調の部分。って書いといて、変ホ短調がどんな何かも、私しゃ、よー知りませんが(^^;)でも音楽の知識はなくても、その旋律のきれいさは素人にもすぐ分かる。
(3) 変ホ短調 Andante(Cantabile e graziozo)
これも静かな曲。メロディが素晴らしい。歌詞をつけたくなる。情熱的な恋を、静かに語る詩のような音楽。涙がでそう。終わりたくない気持ちで、ためらうように続く長い長い最後の部分がいい。
まさに、「おっしゃる通りでございます」という感じ。また、グールドについては「はてな?」のURLをクリックして下さい。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%EC%A5%F3%A1%A6%A5%B0%A1%BC%A5%EB%A5%C9
こういう体験をすると、インターネットの凄みがよ〜く実感できる。一瞬で、グールドの弾く「バガテル」のとびきり好きな旋律と情報がドッキングして、ぼくの中に大切なものとしてストックされている。こういう美しい旋律に出会うと、この世に生まれてきて良かったなとぼくは思う。
これから、嫌〜な梅雨の季節ですが、このCDがあれば大丈夫、のような気がします。
●ソニークラシカル
ザ・グレン・グールド エディション
「BEETHOVEN "EROICA"-VARIATION/BAGATELLEN SM2K52646」(2枚組・アマゾンになし、「ソニー・クラシカル」サイトのグールド作品でも検索できず。CD店でお探し下さい)