海を渡ったイクラのおかげで、築地市場内で寿司食い初体験

rosa412004-06-10

 朝9時前に家を出て、奥さんと義母とともに築地市場へ行った。目的はイラク・・・じゃなくて、イクラ(^^;)。ひょんなキッカケだった。
 昨年末、築地市場で出る発砲スチロール箱を、パレット状に再生している会社の社長さんを取材した。その社長さんを築地市場内で取材後に、ほっぺたが落ちそうな海鮮丼ぶりをご馳走になり、市場内で買ったイクラひと箱までお土産にいただいた。ぼくはイクラにはあまり執着がないので、ちょうどペルーへ里帰りする予定だった奥さんに持たせた。そう、築地でもらったイクラは太平洋を渡った。
 それが彼女の母親に大好評だった。イクラ好きにはたまらな〜い上物だったらしい。かつてペルーで日本料理店を営み、漁船の船主さんの宴会などを取り仕切っていた人の舌が認めたのだから、本物だろう。1万円はするだろうと義母は言った。
 3月から来日中の義母らの離日が近づいたので、今日、そのイクラを求めて、築地市場内にむかったというわけだ。事前にその社長さんに電話で、そのいきさつを伝えると、その社長さんも喜んでらっしゃって、イクラを買った卸業者の名前と連絡先を教えてくれた。その際、ぶしつけを詫びながら、昨年お土産にいただいたイクラの値段を聞いてみると3500円だという。「でもそれは卸値で、一般の店ならその2、3倍だから、義母さんの言うとおりだと思うよ」という。それが市場内外の価格差だ。
 築地市場正門から入り、第3大通路2−40「三清」を目指した。去年一度、その社長さんと一緒に行ったはずなのだが、その住所がなければたどりつけなかった。ところが、なんと、ぼくらの脇を修学旅行の中学生の一群が通り過ぎていく。おいおい、修学旅行生の見学コースになっとるんかい!
 「三清」で1キロ5500円のイクラの、スジコ状態(どちらも鮭の卵で、棒状のものがスジコ、それを粒にとりわけ、味付けしたものがイクラ)のを味見させてもらったが、いわゆる醤油漬けではなく、あっさりした塩漬けで、濃くのある甘みが口の中にひろがる。イクラ好きでないぼくでも美味しい。義母は迷うことなく、そのイクラとスジコを購入。
 その店のオジサンに、市場内6号館の「寿司大」の場所をたずねると、「鮨文」の方が旨いよと薦められた。再び小型トラックが行き交う市場内を横切り、6号館にたどり着く。行列ができている店が二件、一件は今「dancyu」で紹介されている大和寿司、もう一件は寿司大。グルメオバサンたちが多い。「はてな?」の料理好きが集まるblogでは、「寿司大」のおまかせコース3500円をプッシュしている人がいた。まず義母らを寿司大の行列に並ばせておいて、ぼくは鮨文をさがした。6号館ではなく、8号館で発見。しかも行列なし。
 イクラ売りのオジサンを信じて、ぼくらは「鮨文」ののれんをくぐる。おまかせコース3500円を注文する。最初の玉(ぎょく)につづいて並んだのが、上の写真。左端のウニと白魚はネタが多すぎてこぼれた。だがどちらもネタは新しいが、脂のノリはイマイチ。一方、中トロ、トロ、鉄火巻きが甘くて美味しかった。場外の「寿司清」では、中トロはともなく、こんなトロは食べられない。大きな赤貝も新鮮でコリコリした食感。穴子は小さいが柔らかくて、付けダレも上品な味わい。だがアジやカンパチも、ネタは新しいけれど脂のノリはイマイチ。朝ごはんも食べてなかったから、一気に食べたせいもあるが、場外の「寿司清」と新鮮なネタが違うだけで、そんなに全部がメチャクチャ美味しいというわけでもなかった。
 だが場内と場外の味を体感できただけでも良かった。これで場内寿司への変な幻想がなくなる。ただ、それぞれのネタは場外より大きい。店舗の家賃格差の反映か?それとも築地で早朝から働いている男たち相手の店だからか?早朝6時から午後2時までの営業らしい。
 店内を見回すと、英語のチラシと、URLとEメールアドレスまで書かれた日本語のチラシを発見。「創業150年の歴史をご賞味ください」と書かれてある。おいおい、webまであんのかい!
鮨文web http://www.tsukijinet.com/tsukiji/kanren/susibun/index.htm
築地グルメット http://www.tsukijigourmet.or.jp/tel.htm