インカ天日塩が世界のスタンダードになる日

rosa412004-06-29

 ペルーの親戚夫妻を、田町ヌースフィアへご招待した。前回同様、今日も上下階ともに満席。ヨシヨシヨ〜シッ!
 まず魚のコチのパイ包みは、マスタードのアクセントが効いてて美味しかったし、生&ボイル野菜をオリーブオイル(ガーリック&アンチョビ入り)フォンデュ風に食べるのもグッド。有機野菜の旨みがさらに増すからだ。デザートで、バナナタルトのアールグレイ・アイスクリーム添えは初めて食べたが、抜群の相性。わが大平(おおだいら)シェフ、いい仕事してる。ご夫妻も上品な味にとても満足してらした。明後日、離日される前の、ささやかな”舌土産(みやげ)”になったとしたら嬉しい。
 で、そのご夫妻からペルー土産でいただいたのが、上の写真のインカ天日塩。この塩、うまいの。写真ではわかりにくいかもしれないが、少しピンクがかっている。まず塩の旨みが舌にきて、後から塩辛さが控えめにあらわれる感じだ。美味しいキムチと同じ順番、旨みの後に辛さの法則ね。えっ?そんな法則初めて聞いたって?そりゃそうだろ、おれだって初めて書いたんだから(^^)。
 わが家では、それでもほんの少し奮発して伯方の塩を使っている。だけど、この旨みのあるインカの塩をなめた後に、伯方の塩をなめると、塩辛すぎて下品に感じてしまう。永田野菜のみならず、美味しさって相対的なようで、実は微動だにしない確固たるもんなんだな。
 で、インカ天日塩について少々説明を。標高3300メートルの高地に広がる、ペルーアンデス高原ウルバンバ渓谷にあるマラス塩田で作られている。インカ帝国の首都として栄えたクスコ、マチュピチュなど、インカゆかりの遺跡が数多く存在する渓谷だ。古くから良質な天日塩の産地だ。地下水から湧き出る天然塩水が、谷沿いの棚田塩田に引き込まれ、アンデスの太陽と風がゆっくりと塩の結晶を育て上げているという。インカ伝統の完全天日塩製法なので、塩の収穫は5月から10月に限定される。
 これを、わが大平シェフに一袋進呈。「これは素材に直接かけた方がいいですね、カルパッチョとか」というのが彼の感想だった。実はヌースフィアではイギリスの塩を使っていたことを今日初めて知った。
 ここで少々ウンチク・タイムをご容赦いただきたい。トマトもジャガイモもアンデスが原産。これは有名だが、それらに加えて、実は唐辛子もアンデスが原産だ。それが世界に広がり、日本では七味唐辛子になり、韓国ではキムチ誕生につながった。麻婆豆腐だってそうだ。で、何が言いたいかってゆうと、このインカ天日塩が世界のスタンダードになる日も近いかもしれないってわけよ。日本でなら、しっかりした味のある野菜や、焼き鳥なら相性はいいと思う。
 でも、アンデスソルトとゆうやつは、おれ、まだ味わったことないんだけどね。
インカ天日塩 http://www.inka-shio.com/
オーガニックカフェ&ダイニング「ヌースフィア」 http://www.noosphere.co.jp/(土日休業、要電話予約)