五輪野球日本代表〜アテネの喜怒哀楽にまみれてる俺

rosa412004-08-26

 松坂の好投むなしく、五輪野球の準決勝でオーストラリアに敗れたとき、テレビ観戦していた俺の心に、ふい流れてきた歌がある。

「好きと言わない あなたのことを
 息を殺しながら 考えてた
 愛ってよくわからないけど 
 傷つく感じが素敵・・・・」

 映画『メイン・テーマ』の主題歌で、主演の薬師丸ひろ子が唄った『メイン・テーマ』の歌詞だ。作詞は松本隆、作曲は南佳孝。とりわけ、
「き〜ず つ〜く かんじがすてき」の歌詞が何度もリフレインした。
 日本側のベンチでは、長島監督脳梗塞の後遺症が残る右手で日の丸の左斜め上に書いた「3」の文字と、そのユニフォームだけがひっそりと掲げられていた。なんとも言えない空しさと、目に見えない傷がブラウン管に映っている気がした。
 この感傷は何だろう?自分でもそのか弱い感受性にびっくりしながら、少し考えてみた。長らく日本のプロ野球は観ていない。お下劣オーナーのせいで、ますます遠ざかってしまって長い。かろうじて観るのは、ヤンキースの松井の試合ぐらいか。

 一方、今回の五輪は、従来よりけっこう観ている。サッカー、柔道、水泳、ソフトボールで、ついつい一喜一憂し、喜んだり、悪態をついている自分がいる。もちろん、今回の日本代表の快進撃も理由のひとつだろう。でもそれだけじゃない。
 ・・・喜怒哀楽にまみれたい俺がいるんじゃないか。借り物でもいいから、そこに入れ込んで、感情を波立たせたい俺が。そういった情緒的なるものからは遠い場所にいて、勝ち負けの見えづらい、そのくせ実際には毎日小さく負け続けているような、のっぺりとした日常を生きているから。
 てめぇの命の実感がなんとも頼りないから、ひとさまの喜怒哀楽にまみれることで、それを握り締めて安心したい俺が、そこにいるんじゃないのか。・・・ダトシタラ ソレハ カギリナク ダッサ〜クナイカ