堀江貴文社長の「新しさ」(2)〜平板化と格差化が同時進行する

 フジ・サンケイグループと、堀江氏のつばぜり合いは本日もヒートアップ。フジTVは堀江氏が出演した番組2回分の放送中止を決め、堀江氏なしで1回分を撮り直すらしい。
 だが自分からレギュラー出演を頼んでおきながら、みっともなくないか?というか、その礼儀知らずぶりは、どう見てもフジの優勢勝ちだ。どのメディアも、その事実だけを伝えて、その是非、つまり「放送局の礼儀としてどうよ?」という視点では何も言及していない。これもマスコミ連帯感のなせるわざか。ふふふふ。
 先の週末、堀江氏が元吉本興業木村政雄さんがホストをつとめるBSの番組に出演していて、その発言をぼくは思わずメモっていた。
「情報量が多いほうが物事を判断するにはいいですよね。後はその処理速度が速ければ速いほどいいですし」
 この発言を聞いて、まるっきり、パソコン頭の人だなぁと思った。しかも、とっちゃん坊や顔の彼は、その後で、少しも嬉しそうじゃない表情で「月100万円使えれば、かなりいい生活ができるんですよね。だからそれ以上のお金がほしいとはあんまり思いません」
 と話していた。自称、刹那的人生観の人だし。それは笑顔でも目が笑っていない、あの独特の表情ともダブる。
 昨日紹介した江川紹子さんのインタヴューでも、将来、ライブドアが始める新聞の構成は、「その記事の人気度で決める」と語っている。これはまさに「Yahoo!」の検索画面のイメージだろう。新聞記事より個人blogが上位にランキングされるかもしれない、あらゆる権威を平板化せずにはおかない世界だ。
 一方、今日は内閣府が「60代と20歳未満が生涯を通じた一世帯あたりの税負担や社会保障などの受益と負担の格差が最大で1億円になる」という試算結果を、15日の経済財政諮問会議に提出していたことがわかった。もちろん、60代の受益が多い。20、30代でも負担超で、40代でようやく受益派になるらしい。
 戦後60年をへて、税制度や社会保障制度の抜本的改革の先送りを延々とつづけてきた自民党政権のせいで、すでに日本社会は大いなる格差社会なのだ。
 平板化と格差化が同時進行する社会。そういう状況をかんがえると、堀江VSフジ経営陣の権力闘争は、ますます若年層VS壮年層の代替対決にも見えてくる。
日本総研・高橋進氏の解説