「オペラ座の怪人」〜「もう1回観たい!」と「オペ怪」ファンのおれは叫んでいた

rosa412005-03-10

 小説でもCDでも映画でも舞台でも、ぼくはいつも身も心もたぶらかされたいと思って読み、聴き、観る。どうか気持ちよく心酔わしてくれるものであってほしい。そう思うけれど、実際にその期待を満たしてくれるものは、残念ながらそれほど多くない。
 この映画は、うちの奥さんが観たいというので、夕食がてら出かけた。以前、劇団四季のミュージカルで2回も観たらしい。先月のスチャラカで、友だちによる映画評も紹介した。それなら、音響が良くて、でかいスクリーンがいいだろうと、六本木ヒルズで観た。あくまでも彼女のことを考えてのことだった。
 ところが、自信満々さを漂わせるモノクロ画面の導入部と、歌姫クリスティン役・主演女優エミー・ロッサムの最初の歌「Think Of Me」を聴いて、いきなり胸倉でもつかまれ引き寄せられるように、スクリーンに魅せられた。
 その歌が終わったとき、思わず「指」拍手してしまったほどだ。嫌味なほど隙のない構成(数ヵ所クドイと思う場面はあるが)、豪華な衣装と舞台装置、そして何よりエミーの歌声は、聴く者の心を洗い清めてくれるかのようだ。台詞としても登場するが、まさに「音楽の天使」を思わせる。
 歌姫エミーをめぐって争う男二人の物語だ。くわしいストーリーは、公式HPで観てほしい。(でも大音量の音楽が流れてくるから、職場では要注意!パソコンだと音質はイマイチだが、「Think Of Me」なども聴ける。BBSを観るだけでも、「オペ怪」ファンの熱さがじゅうぶん伝わってくる)
 友人INAが、映画を観る前にサントラ盤を買ったと聞き、「アホちゃうか」と放言したことを、この場を借りて心からお詫びしたい。お、おれ、DVDもほしい・・・(^^;)。
 だが映画が後半に入ると、クリスティンと恋人ラウルの間に割って入ろうとする「オペラ座の怪人」ファントムががぜん輝きだす。クライマックスの対決シーンでは、すっかりファントムに感情移入していて、涙が出た。好きだなぁという映画はあるけれど、感覚値97%もたぶらかされたのは、ひさしぶりだ。
 くわしくは書かないが、最後のシーンで、この映画の味わいをさらに深めてくれる2つのアイテムが登場する。おれはファントムに感情移入していたせいで、その片方しか注意がいかなかった。
 だが、奥さんはしっかりと両方のアイテムの意味をくみとっていて、注意散漫だという意味合いで「あなたにしては、珍しいわね」というニュアンスの捨て台詞までいわれてしまった。・・・・・・く、くやしい。二人でもう1回観に行こうと即決した。
 当然、好き嫌いはあると思うけれど、興味がある方は、ぜひ音響設備のいい大画面でご堪能ください。