「ホリエモンの成り上がり」と「女性の社会進出」を、遥洋子さんは重ね見る

 ひさびさに切れ味のある文章と出くわした。日経ビジネス今週号の一番後ろのページ。
ホリエモンの駆け上がり方は、女性の企業進出と酷似している。」
 この一文に、おおっ、と思った。遥さんは書く。先のフジテレビとの攻防の中でホリエモンが得たのは、多額の「お金」と業務提携の「約束」だった。それは男女雇用機会均等法で女性が形式上得た、「男性と同じ賃金体系」というお金と、「男性同様に出世できる」という約束と同じだと。
 だから彼女は、フジテレビとの業務提携を「想定内」だと喜ぶホリエモンに、雇均等法導入後の女性総合職誕生で「これで男女平等だ」と喜んだ、当時の女性たちの姿をダブらせて歯噛みしたという。遥さんがいう「男社会」とは、単なる性別ではなく、そこに入り込むにはスーツ姿の好青年というオヤジ好みの記号が必要で、ホリエモンのようなジャケットにTシャツスタイルはアウト、という排他的な社会だ。
「それは、ある意味、言えてるよね。たとえば、女性の営業マンがいくと、『えっ、女の営業かよ』とか『おたくは、うちの会社を軽く見てるの』的な反応は企業側にはいまだにあるからね。それはホリエモンとある意味似てるかもね」
 と営業職が体質にあわずに退職した、うちの奥さんはいう。おおっ、切れ味のある文章と思っていたけれど、実は女性たちにはすでに共有されていた視点だった。つまり、だ。企業組織の構成員になった経験がないオレでさえ、「男社会の一員」だったってことか。