いのちの濃淡

　去年、咲かなかった紫陽花が今年は咲いた。咲きはじめの頃の、右写真みたいな感じがかわいい。ベビー服に身をつつんだ赤ちゃんを思わせる花弁だ。
　庭のベランダにある鉢植えでは、クレマチスも去年咲かずに今年咲いた。熱心な人は毎年、秋になるといったん鉢から出して根を切り、植え替えするらしいが、そこまでマメじゃないボクが、ほったらかしのせいだろうか。２年ぶりに咲いたクレマチスは、一昨年より濃い紫色の花をつけ、生命力が溜まっていたのか、切花も鉢植えも２週間以上咲いていた。
　反対に、この９年間毎年けなげに咲いてくれるツルバラは、紅色と赤色の中間色みたいな色からどんどん色あせ、今年はピンクにかぎりなく近い花びらだった。花のバイオリズムはアトランダムで、いのちの濃淡を見せてくれる。それを見ていると、他人事にも思えない。