リモンとアヒとペルー料理(3)

rosa412005-06-12

 今回新たなペルー料理と出会った。名前はチルカーノ。まあ、簡単にいえば、魚のアラのスープだ。チルカは、ペルーの海岸にある地名。その地方にある湖沼でとれた魚を煮詰めてできた煮こごりを、水を加えずに、火で加熱してスープに戻す。
 まず、それだけを飲むと、少し魚の匂いと灰汁(あく)が気になるが美味い。そこにペルー産のリモンを加えると、スープが白濁するとともに、その魚臭さがきれいに消える。だがスープの濃くはそのまま。さらに中国料理などでよく使う、ドライにしたチャンツァイを加えると、その濃くがふいに軽く上品な味に変わる。三度目には、そこに生のアヒを小さく刻んだものを、ふたかけら入れると、ピリ辛なスープに変わる。これもいい。ペルー料理のエッセンスであるリモンとアヒを加えて、その変幻ぶりを満喫できる点が楽しい一品だ。