小泉首相を「明日のジョー」に見立てて、参院での郵政民営化論議を満喫する

 日経webに「NETアイ プロの視点」というコンテンツがある。日経の編集委員が担当しているのだが、たまにユニークな視点を提供してくれる。
 本日25日付けの清水氏の「小泉純一郎の『見果てぬ夢』郵政最終戦争」は面白かった。「最終戦争」とか「民族浄化」とか、そのボキャブラリー感覚には正直首をひねりたくなるが、小泉が自民党総裁選のはるか以前から、郵政民営化にいかに情熱をかたむけてきたのか。その経緯がよくわかった。
 それは当時、ただの「ドンキ・ホーテ」だったのだが、首相になった今、実現できるかどうかギリギリの攻防というわけだ。この文章を読むと、どこか小泉が織田信長や、ボクシング漫画『明日のジョー』の矢吹丈にさえ見えてくる。自民党崩壊もかまわず、衆院解散に踏み切るとしたら、どこか矢吹のノーガード戦法っぽくもある。
 自民党も政局も、さらには国民も無視し、首相の権力を最大限活用して、自らの宿願達成に賭ける。首相としての資質とは無関係に、そういう生き様には心惹かれるものがある。だって、それは総理大臣にならないとできない大博打だから。清水氏の文章を読むと、それは首相自身がもっともよく熟知しているにちがいない。
 さあ、外交オンチの引きこもり首相、最後の戦いとなるか。