世界に誇る、日本代表の華麗な横パスとバックパスごっこにウットリ

 友だちSが日本対中国のサッカーを観にわが家にやって来た。夕食をとりながら観たのだけれど、後半40分すぎにようやく同点に追いついてからが、日本チームはとりわけ素晴らしかった。
 中国側はけっこうバテバテで、いっこう攻める気配さえ見せていないのを尻目に、日本チームはディフェンダー同士で華麗な横パス、バックパスを披露しはじめた。美しかった。だって中国選手がいないせいもあるけれど、実にキレイにパスがつながるんだもん。
 その後も、中国選手を休ませてあげる、とっても優しい思いやりに満ちたパス交換を延々とくり返した。なんていう慈悲深さ、なんて慎み深くて無欲!どうせならゴール・キーパーも混ぜてあげてほしかったな。だって目の前で、ディフェンダー同士で楽しそうにパス交換されて、仲間はずれにされてたみたいだったから。ついでに中国選手も混ぜてあげれば、もっと喜ばれたかもしれない。
 優勝をめざしに韓国に出かけて、ようやっと同点に追いついて、残り3分でも5分でも、自分を見失わず、サッカーという競技を、あるいは応援しているサポーターはあざ笑うかのような、あの華麗なパス交換には本当にウットリさせらた。これぞ日本が世界に誇りうる、無欲のパス回し!冒険やリスクを嫌い、生真面目かつ人生に消極的なお国柄を、あれほど見事に体現している光景は初めて見た。
 ワールドカップに出る前に、わが日本代表にはぜひ世界「横パス・バックパス」選手権での優勝を目指してほしい。たぶん、ブラジルなんか足元にも寄せ付けないはずだから。