哀悼!キューバの至宝、イブライム・フェレールさん逝去

すばらしき兄弟 
当日夜、イギリスBBCのwebサイトで、イブライム・フェレールさん(78歳)逝去の第一報を見た。その瞬間目に浮かんだのは、5、6年前か、イブライムと、女性歌手オマーラ・ポルトゥンドの、東京国際フォーラムでのライブのアンコールで、片足ケンケンしながらステージを右に左に動き回っていた彼の姿だった。
 その晩年、ライ・クーダーによって「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」にスカウトされて、世界にその才能を知られることになった。遅咲きのシンデレラ・ストーリーを生きた歌手だった。あの舞台を目の当たりにすることができたこと、彼らの歌声に夫婦で気持ちよく踊れたことをぼくはとてつもなく誇りに思う。そして哀悼の意を表したい。
 これで「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」はギターのコンパイ・セグンド、ピアノのルーベン・ゴンザレスにつづいて、三人のメンバーが他界されたことになる。
 もし興味があれば、ドキュメント映画ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ [DVD]のDVDかビデオを一度観てください。憧れの米国NYカーネギーホールでのコンサートの終わりに、その興奮と狂騒の只中でただ一人、「なんだよ、もう終わっちゃうのかい」と言わんばかりに切なそうな表情をうかべるイブライム・フェレールが秀逸ですから。