一撃必殺の空気にひさしぶりにゾクゾクした夜

 いやぁ〜、見ごたえ150%だったね。残念ながらビデオでの「プライド」観戦だったけれど、じゅぶん堪能させてもらった。あのミドル級無敗男、ヴァンダレイ・シウバに試合をさせずに、判定勝ちしたヒカルド・アローナの速さと強さ。それを木っ端微塵に粉砕して、ミドル級王者となった
マウリシオ・ショーグンの鋼(はがね)のような強さ

 さらには、ヒョードルとミルコのヘビー級決勝戦にもゾクゾクした。とりわけ第一ラウンドの一撃必殺の空気はブラウン管を通してもなお、ビンビン伝わってきた。ああいうリアリティーの威力に、追いつける言葉はない。
 結果は、自分の良さをより押し出すことで、相手の良さを消すことに成功したヒョードルの作戦勝ちと、ぼくには見えた。自らプレッシャーをかけ、キックを出せない間合いにしておいて、パンチを繰り出しながらラウンドに持ち込み、マウントポジションをとるということだ。
 一方のミルコには、ラウンドの際にヒョードルの良さを消そうという練習の跡は見えたが、ヒョードルほど、自分の良さを押し出すことで相手の良さを消す、という明確な戦術が見えてこなかった。つまり、戦術において受け身だった。そのキックの威力を発揮できないままに終わった試合が、それを物語っている気がするんだけど、蘭×さん?