庭園倶楽部 第4回『石の意味』in ワタリウム美術館

 日本の最初の庭園は、飛鳥時代に中国大陸から来た渡来人によって作られたという。この日は、それ以降、日本の歴史の変遷とともに、庭園そのものと、庭園における石の役割がどう変容していったのかを教えてもらった。「庭は世につれ、世は庭につれ」とでもいった感じで、とても興味深かった。
 奈良・平安期は自然景観をミニマムに取り込んだものだった庭園が、禅宗が普及した鎌倉時代には、不老不死を象徴する石組みなどが生まれ、精神性がある種のトレンドとなって武士たちの人気を集めたらしい。
 室町時代に入ると枯山水庭園が、さらに戦国・江戸時代になると、千利休の登場による茶庭(石灯篭や手水鉢)などが隆盛する。石灯篭などは、お屋敷などが取り壊されるときに、利休が庭園に取り込んだ、という話はとりわけ面白かったな。いわば利休は、捨てられる運命だった石灯篭や手水鉢に「美」を見出し、庭園へとリサイクルした一流の目利きだった。