『TR2』水曜日、最後の放送〜「J−WAVE」らしくない貴重な番組が消えた夜

「新番組では『チ○ポ』なんて絶対言うなと言われたんですけど、こうして三人で深夜に話しているから、話の流れでチ○ポなんていうけどさ、一人でDJしながらさ、いくらオレだって普通にチ○ポなんて言わないでしょう」
 最終回の放送冒頭で、いきなり放送禁止用語を3回も口にしている、リリー・フランキーに笑えた。タレントの安めぐみと、謎の人ゾノネムはただただ苦笑している。この三人による深夜放送「TR2](午前2時から4時オンエア)。大阪人には気障ったらしい「J−WAVE」とは一線を画した、オヤジノリの深夜放送だった。その裏で1時間重なる、東京FMの菊池成吼の『WANTED!』を、ぼくはよく録音してたんだけどね。これで元『TR2』で唯一、土曜日深夜2時から4時に移行した、みうらじゅんと安斉肇の『GOLDEN TIME』が、”FM深夜放送族”にとって最後の砦になってしまった。
 40歳すぎの大人たちが、ラジオの深夜放送でくだらねぇーことやエロ話を懸命に面白がる「粋」が消され、テレビではタレントをいじめて、視聴者と笑い飛ばす番組がゴールデンタイムを席巻する。駅の喫煙エリアさながら、大人の無用の用がどんどん場所を奪われていく一方で、小泉チルドレンの若手議員をテレビ局がこぞっていじり回すような無駄は重宝されている。目に見えるものしか見えない、見ようとしないヤツら。まったく、うんざりだね。