人間臭さの王国〜小学校サッカー観戦記は意外とイイ

 遅く起きた日曜日、あんまり気持ちいい晴天だったので、散歩がてら奥さんと近所のモスバーガーに出かけた。そこでテイクアウトして、近くにある大きな公園に行く。うちの夫婦では、日曜日の朝の、ひとつの定番の過ごし方だ。
 だが今日は、公園内にある小学校の校庭で、少年サッカーをやっていたので、ハンバーガー食べながら観戦することにした。これが予想外に面白かった。
 まず子どもながらも、やはりセンスのいい子がいて、その子の動きを観ていると、けっこう楽しめる。あの36番いいね、この9番も周りがよく見えてるねといった感じで、かなり感情移入ができる。
 また、そのプレーぶりから、子どもの人柄が見える瞬間がある。たとえば、バックから大きく蹴り出されたボールを追って、ディフェンダーと競り合いながら一生懸命に走ったフォワードの男の子は、ゴールキックになると、あからさまにとぼとぼと歩いてコートに戻ってくる。ああ、こいつは教室でもこうなんだろうなぁ。集中力が続かず、すぐ手を抜くタイプなんだろうなぁと見える。
 あるいは、プレー中にやたらと周りに大きな声で指示しているくせに、自分にボールが回ってくると、やたらとミスキックを連発する男の子もいた。これはまさに少年野球時代のへっぽこサードだったオレとおんなじで、すごくシンパシーを感じたりとか。夫婦でけっこう盛り上がりながら、試合終了まで観戦できた。
「なにぃ、あの子、(日本代表の)サントスみたいで大嫌い!」
「ねぇ、奥さん、熱くなるのはぜんぜん構わないけど、個人攻撃は止めようよ。しかも、いくらなんでも、ちびっことくらべて文句言われたら、サントスだって立つ瀬ないよ」
「よく言うわよ、いつもテレビ観ながら、『あのハゲ、ボール触るな!』とか怒鳴ってるくせに」
「・・・・・・・・・・・・・・・」