北斎展(1)〜生け花っぽい構図

rosa412005-12-01

 えらい人だかりの中で、北斎の絵をあれこれ見ていると、すごく生(い)け花っぽいなぁと思った。その空間の構成法が似ている。
 たとえば、草月流の生け花の基本形は、一番長い枝である真(しん)・二番目に長い枝の副(そえ)・最も短く、真や副とは反対方向に入る枝(多くは花)の控(ひかえ)の三本。この三本で、どういう三角形を構成するのかが基本だ。花のボリュームや鮮やかさと、長い枝ものの形状や色とのバランスで、いかに鮮やかなコントラストを見せられるかが、作品の良し悪しを決める。
 色の濃淡、遠近感、詳細に描きこむ部分と余白の対比など、北斎の構図にも、その生け花みたいなコントラストを感じた。東京国立博物館での北斎展は明日4日まで。「ほぼ日」とのコラボ企画「北斎先生!」も、読み応えあり。