大島弓子『毎日が夏休み』〜繰り返し読んでも、感心させてくれる一冊。

 ご無沙汰です。昨日の早朝、ようやく原稿用紙700枚近くの原稿の推敲が終了。来春発売予定の私の本の原稿です。これで担当者からあまり修正要請がないと、いい年を迎えられそうなんだけれど・・・。
 本当ならジムに行って汗をかきたいんだけど、睡眠3時間ぐらいでは、さすがに40代にもなると、そんな勇気はなくて、さりとて目は冴えている。 
 そこでひさびさに、ボーッとしながら、大島弓子毎日が夏休み (角川文庫)を読んだ。まだ独身だった頃、仕事でどうしようもなく疲れてしまうと、欠かせなかった大島弓子だ。
 独身時代の儀式は、まず少し温めの風呂に、死人みたいな顔で1時間ぐらい浸かる。それからビリー・ホリディのCDを聴きながら、お酒でもちびちび飲みながら、大島弓子玖保キリコの漫画を読む。当時は、焼酎などにはまるで不案内で、もっぱらフォアローゼスのブラックが寝酒だった。これはじつに安上がりな、それでいて幸せになれる「一人癒やし術」だった。
 で、ひさびさに読んだ表題作「毎日が夏休み」は、やっぱり良かった。詩的なネーム、闇コマの使い方の深さ、日常に潜む危機の挿入の仕方。昔読んだのとは違う、感心のさせられ方をした。繰り返し読んでなお面白い。そんな漫画って、やっぱり素晴らしい。