ひきずっている一言

 いきなり堀江社長が逮捕されてしまった。だが、昨日書いたのは報道姿勢についての疑問だから書き直しはない。腐るほど社員がいて、東京地検特捜部の人間との付き合いの濃淡だけで、確認作業もしないまま、受け売り情報を垂れ流すだけなら、プロの仕事とはいえないと思うから。
 で、話題はいきなり変わる。今日のTV『さんま御殿』で、「妙に引きずっている一言」というテーマで出演者たちが、あれこれトークを披露していた。それは番組終了後だった。なんかの話の流れで、うちの奥さんがこう言った。
「風邪引かないでよ、いろいろ面倒くさいんだから」
 ぼくは怒るより先に、つい笑ってしまった。その「面倒くさい」が、笑いのツボに突き刺さってしまったからだ。
「おまえ、『面倒臭い』って言葉に、妻としての愛情のかけらも見当たらへんやんけ」
 笑いながらぼくがそう言うと、
「だから、愛情はないって昔から言ってるやろ」
 彼女は大阪弁で返してきた。それが、また笑えた。いかん、大阪人は笑いの感度が高すぎて、本来なら怒りまくらなければいけない場面で大笑いしてしまう。我ながら、しかも大笑いしながら、せつない性(さが)を実感した。笑いすぎて疲れてしまった。
 同じように大笑いしながら、奥さんが一言。
「これ、『さんま御殿』に『妙に引きずっている一言』で応募してみたら?」
「あほ、今日放送終わったとこやろ」