遅まきながら『ディープ・ブルー』に呑み込まれた夜

ディープ・ブルー スペシャル・エディション [DVD] 
 レンタルしてきたドキュメンタリー映画『ディープ・ブルー』を夫婦で、ダイニングの明かりを消して観た。英国BBC放送製作だ。以前、ぼくは映画館で同放送製作の『WATARIDORI』を見ているが、それ以上に面白かった。
 シャチが浜辺まで乗り上げてきて、浜にいるあしかを食べる場面、あるいは噛み付いたアシカを空高く投げ飛ばしてしまう場面のリアルさに息を呑んだ。
「シャチも座礁するかもしれないリスクを冒している」
 そこにクールな解説が入る。
 海底1万mの底の、光の差さない場所で艶やかな彩色で発光する生物、まるでハリケーンみたいに固まって大きな魚を威嚇する小さな魚たちの闘い方、そこに参戦する鳥たちと織り成される混沌とした場面の躍動感。だいたい、この映像はどうやって撮っているのか、そうクビを捻りたくなる場面ばかりだ。身も心も90分の映像に呑み込まれてしまった。これらの貴重な映像を撮影するために、取材班がどれだけ膨大な無駄な時間を費やしたのかに、思いをはせずにはいられない。
 上記の『ディープ・ブルー』のHPでダイジェスト版が観られます。