『ブロークバック・マウンテン』〜導入の約1分間と音楽は良かった

rosa412006-04-16

 暗がりの大平原をヘッドライトを照らしながらいくトラックの遠景。その静かな映像に、爪弾かれるギターの音色がかぶる―ちょっとヴェンダースの『パリ、テキサス』風な導入部は好きだった。でも、この場面も割とあっさり終わり、まず最初の「膝カックン」だった。あと音楽のセンスもいい。
 ただ、映画を観終わった後も、ぼくとうちの奥さんにとってはやっぱり「膝カックン」なものだった。だって、これは男二人のどっちかが不慮の死でも迎えないと、映画が終われないぞと思っていたら、いきなり車のタイヤの修理中にそれが暴発して死んじゃったしなぁ・・・。これは編集の責任もあるかもしれないけれど、撮影も良くない。山中の場面なら安直な引きの映像ばかりで、まるで工夫がない。
 男と女ならよくある話が、カウボーイの同性愛なら「史上最高の純愛」になるんなら、それはやっぱり本末転倒だろう。最近で観た中でなら、三谷幸喜の『有頂天ホテル』の方が8対2で大差の勝利だな。