築地・虎杖(いたどり)の海鮮ひつまぶしとクオリティ・ライフ

rosa412006-04-20

 美味かったぁ〜、虎杖(いたどり)裏店の海鮮ひつまぶし(右上写真)。まず、ちらし寿司のような感じで出てくる。何もつけずに食べてみても、新鮮な魚の甘みと、ほどよい酢飯の相性がいい。次にわさびとしょう油の振りかけても、ほど良くコクが出て良し。さらに三膳目は、だし茶漬けで、生姜と共にするするとかき込んで、最後はさっぱり!つまり、ひとつの料理を三通りで楽しませる。その鯛茶漬けみたいなサ―ビス精神がいい。
 しかも、もうひとつの目的だった京のおばんざい野菜。一品三種の京野菜のおばんざいが750円。量は少なめだが、味濃くて良し。芋。麦焼酎ともに美味くて、4人で飲んで食べて一人4000円ならリーズナブルでしょう。
 今夜は銀座「えすとカレー」オーナーの井上さんと、カフェ・シエスタ・オーナーで、かつ演奏家シエスタの4人でテーブルを囲んだ。
 他人と違う生き方をしている人たちの話は面白い。しかも、それぞれ違う場所とスタイルで生きているにもかかわらず、クリエイティビティとビジネスとのバランスといったテ―マだと、「あ・うん」の呼吸で分かり合えるところがあって楽しい。
 それが飲食業でも音楽でも書籍でも、情報発信と受け手との関係という観点では、形態こそ違うけれど同じ作業なんだよなぁ。受け手に媚びすぎず、自分の独自性を追いかけることで、一定のポピュラリティを獲得する。店舗をとおして、消費者と日々向き合っている彼らの話も勉強になる。
 井上さんは年内にカナダ・モントリオールにお菓子店を開業予定。一方のシエスタは、5ヵ年計画ぐらいで、南仏のモンペリを半年間拠点にしながら、カフェも継続したいという。モントリオールも、モンペリともに自然溢れて、文化の集積度合いが高いらしい。
 割安な値段で、ゴージャスに楽しめる場所だということ。そういう場所で、日本ではなかなか実現できない「クオリティ・オブ・ライフ」を楽しんじゃおうとしている。海鮮ひつまぶしの「クオリティ」と、カナダとフランスで双方が展開しようと思っている「クオリティ」。美味い料理と、深くてパワーをもらえる話でお腹いっぱい。ご馳走さまでした。