今、働くということ

rosa412006-10-14

 先週、札幌へと向う特急電車の車窓を眺めながら、ぼくはとても高揚していた。
 右も左もわからない場所に飛び込み、慣れない仕事に悪戦苦闘しながら、懸命に働いた。半分ぐらい年下の職人さんを「さん」付けで呼んで、言われた仕事を卒なく片付けることに全力を注いだ。その巧拙にかかわらず、懸命に働く姿勢を通してある程度の信用をえてから、取材させてもらおうと考えたからだ。自然と朝5時には目が覚めるようになり、6時からひと働きしてから8時から朝食。そんな生活にもすんなり慣れた。
 結果的に働くことを優先して、取材を二の次にして正解だったと思う。10日間も寝食とともにしての取材なんて初めての体験だったが、何人かの友だちもできた。こういう身体を使った取材は、今のうちでないとできない。そういう意味でも、いいタイミングだった。
 しかも、ぼくは普段一人で働いている。大人数の人と、身体を使って汗をかいて働くのはひさしぶりで、それも新鮮な経験だった。何個ものバケツで牛の餌をまくのも、19歳の若者のスピーディできれいな仕事を目の当たりにして、自分の下手くそさには溜息ばかりがもれた。その後、少しずつきれいに撒けるようになる喜びも感じとることができた。こういう習熟や発見が、確実にぼく自身を(パソコンでいう)「更新」してくれた。
 その手応えが、何よりもぼくは高揚させていた。