一目惚れダリア

rosa412006-10-16

 なにげなく通り過ぎようとした花屋の前で足が止まる。夜道の店先のダリアの滴る赤に釘付けになった。思わず店の中に入っていくと、さらに弾けそうに真っ赤な唐辛子の実も目に入った。決まった。半年ちかくぶりで無性に活けてみたくなった。あんまり赤のような強い原色の花材だけ活けたことはない。だけど、そのときは赤同士を音を立てるほどぶつけ合いたくなった。少し微熱めいていて、自分がもう一人の自分に引っ張られている、そんな感じも面白かった。夕食後、ひさびさに花と向き合った。あれこれ試行錯誤しながら活けてみた。洗面所とトイレにそれぞれひとつずつ。「基本的にキレイなものが好きなんだよねぇ、わかってるわかってる」と奥さんが一人ボケツッコミをしている。走ることも、花を活けることもぼくには生きることだ。