視る力を鍛える方法

rosa412006-11-09

 最初はそんなに重く感じなかった。ただ、50度前後の傾斜の山道がダラダラと続くと、次第に言葉数がへり、ハァハァという規則的な吐息になり、汗がじわぁっとにじみ、たらたらと顔から首へとつたって落ちていく。 
 長野県のかなり奥にある村へ行って来た。最寄の駅から峠ひとつ半、山道を約90分ほど歩かないといけない場所にある。その村は今、茅葺(かやぶき)屋根の改修中なので、長さ2m近い萱4束を背負(しょ)い子と呼ばれるものにくくりつけて歩いた。道幅が50センチ程度の場所は、萱がひっかかるので、カニ歩きで進まなくてはいけない。道の片側は急斜面の谷や川なので、上りより下りの方が緊張感は高くなる。
 2回の休憩をはさんで、2時間弱でたどり着いてみると、その村にある普通のカラーテレビや、どこにでもあるガスボンベや、多くの本やテーブルがまるで違って見えた。
 それと、ちょうど一つの峠を越えた川の近くにある紅葉の美しさったらなかった。こんな紅色や山吹色、オレンジ色なんて今まで見たことないぞ!という紅葉ぶり。割とカラーはきれいに出るデジカメで撮影したものの、実際に見たものの半分のレベルも写ってなかった。
 それは心に焼き付けておけ、ということなのかもしれない。