自家中毒

rosa412006-11-13

 ネットのコンテンツは3000字が限度で、それ以上はあまり読まれないらしい。30字×100行だ。人気作家が書いたとしても、それ以降はアクセス数が減っていく。有名でない書き手なら急減するらしい。それが雑誌とモニター画面の大きな違いだ。しかも古いバックナンバーが読まれる割合も少ないから、コンテンツの鮮度と賞味期限は自ずと短くなる。
 ある出版社の人から聞いた話だ。
 最近、ビジネス誌の記事で、コスト重視のモノづくりが製品の粗悪化を招いたというのを読んだが、そういう実態を知らしめるべきメディア側も、同じ病理の中で作られていることになる。雑誌が売れなくなり、その対策として出版社でもネットコンテンツとの連動性を図る動きが盛んだが、それは結果的に自らの生命力を奪う方向に進むだろう。
 しかも紙媒体より安い広告費でコンテンツを作るには、取材費だってあまりかけられない。情報として残らない、残しても読まれないなら、その費用対効果はさらに低下する。
 近頃、漫画週刊誌が売れないのは、自分が好きな漫画のコミック本しか買わない読者が増えていて、雑誌を買っているのは社会人が大半だとか。ipodで好きな曲だけをダウンロードする要領だ。創り手側がCD全体に込めた想いなど要らない、自分の好きな曲だけがほしい。それと同じ。好きな人とだけつるんで、後は無視か排除。そんな人間関係の切り結び方とも呼応する。
 このまま進めば、読解力とか社会力なんて言葉もやがて死語になる。