大衆という「顔ナシ」

rosa412006-11-19

「走るのが早いだけでは駄目。最後は人間としての総合力、人間力がないと世界では勝てない」
 先週のNHK総合『プロフェッショナル』に出ていた高野進氏(陸上短距離走コ―チ)の言葉は、とてもぴったりと心に貼りついた。一日中家にいる日は最近、筋トレや料理、もしくは皿洗いやキーボード練習などをうまく混ぜてバランスを取るようにしている。きちんと暮らすこと。
 同じくNHKの「働くこと」をテ―マにした番組での、アーティスト村上隆氏の次の言葉も笑えた。
「この社会で、夢や希望は(経済システムで)兌(だ)換されなければ理解されないじゃないですか。そのくせ、反対にそれがひょんなことから高い評価とともに兌換されちゃうと、今度は嫉妬されてしまう」
 うまい。のっぺりとしたニッポンの大衆というものを端的に語っている。
 メディアも何かあればすぐに犯人探しに血眼になり、誰かを血祭りにあげて、大衆の嫉妬心さえ解消させれば問題の本質はいつも置き去りだ。ちょっと絵が上手いぐらいで金儲けやがってと、ただ保守的なだけで人間力のないヤツらがあちこちで舌打ちにしている。