[視点」ぼくが安倍チャンを嫌悪する理由

 茂木健一郎さんのブログを呼んでいて、強く共感させられた。12月9日の「白魔術」と題する文章だ。

 今の首相を支持する人は周囲には
ほとんど見られない。

 政権から
 伝わってくるのは、弱者や少数者に
対する想像力ではなく、
 傲慢さと無知と偏見のいやなグルーヴ
だけである。
 これでは、まともな感性を持った
人が離れていくのは当然だろう。

 ぼくが安倍チャンの顔を見るたびに虫唾が走る理由は明快だ。あれが戦後の「いい子」信仰の末裔顔だから。小利口で、破綻も卒もなく、それと同時にビジョンも信念もなく、お勉強ができるだけのことでいいポジションに滑り込んだヤツの顔であり、声であり、言葉なのだ。そもそも、親が子を殺し、子が親を殺すニュースが当たり前に流されるようになった現実をふまえて、「美しい国」なんてキャッチフレーズで「愛国心」なんてバット振り回している厚顔無恥さってスゴクない?(語尾あげて)
 ああいう「いい子」顔が、利子は払わないくせに利息だけは堂々と取る盗人ビジネスで高収益に沸く金融機関トップをはじめ、この国には腐るほどいる。
 考えてみて欲しい。アメリカではイラク処理の下手くそさに政権党は惨敗した。にもかかわらず、その政権党におんぶでだっこの自民党総裁に、日経新聞読者は60%以上の高さで、あの「いい子」を推したのだ。つまり、あのアホンダラ大統領を選んだけれど、やっとあの無能さに気付いたあっちの国民以上に、ウチらはアホな大人が主流を締めるアホアホ国だということじゃないか。イラク処理の失敗に加担した前リ―ダ―への批判さえ聞こえてこない。要は大人も会社や仕事に引きこもってる、1億総引きこもり国家だ。
 もちろん、大手広告代理店がタウンミーティングの旗振り役さえ務める、ビジョンなきイメ―ジ・セールス大国らしい選択ではある。中身なんてなくていい、イメ―ジ至上主義の「とにかく買え!買え!」国家。
 茂木さんはさらにこう書き進む。ぼくの大好きなS・ジョブズのスピーチへと。

 Steve Jobsスタンフォード大学の卒業式での
スピーチStay hungry, stay foolishは
素晴らしいが、
 なぜ、このような話を出来る大人が
日本にはいないのだろう。

 国を代表する知性と見なされるような人でも、
その話は後ろ向きで、愚痴ったり、
 政治的な正しさへの配慮がなかったり、
総合的判断に欠けていたり、
 聞いて未来へのヴィジョンに
駆られて元気になる、というよりは、
 どちらかと言えばうさを晴らして
すっきりした、というような
 黒魔術に属することになってしまう
のはどうしてなのだろう。

もちろん、誰にでもうらみや、ねたみ、
嫉妬といったネガティヴな感情はある。
 ただそれをそのまま出してしまっては、
本人にとっても世間にとっても迷惑な
だけなのであって、
 それを魂の錬金術により
 ポジティヴな感情へと転化して、
初めて表現者としてこの世になにがしかの
メリットを与えることができる。

 もう100回ぐらい相槌を打ちつづけたい。妬みや恨みといった感情は、誰よりもまず自分自身を損なうということに気付けない大人が街のあちこちにいる。ああ、茂木さんの文章に興奮させられ、おまけに芋焼酎に酔っ払って書いちゃった。