クセになる味(2)〜烏龍梅はなぜかプーアール茶と合う

rosa412006-12-29

 右写真はウサギのウンコではありません。名前は烏龍梅、おそらく梅干を烏龍茶と砂糖で煮詰めたものだと思われます。横浜には一泊しなかったのだが、2日目の昼に中華街で見つけた。300円だった。基本的にドライフルーツは苦手なのだが、この徹底したルックスの悪さになぜか心惹かれた。
 これだけひどいルックスなのだから、味はそこそこ美味しいはずだ。でないと食品としての価値がないし、中華街で売られているはずもない。
 あくまで勝手にそう思い込んで、一度食べてみたくなった。帰ってきて早速開封してみる。甘美なバニラ香が鼻をくすぐる高山烏龍茶にニンマリしながら、少しかじってみると美味しいとは言いがたかった。烏龍茶で煮出してあるので、酸味は抑えられていて、ほのかにする程度。その代わりに少し甘くもある。けれど所詮はドライフルーツなので、果肉はパサパサしている。旨味(うまみ)というほどではない。ああ、このウンコみたいなルックスで味までまずいのか。直観力には自信があるぼくは、暖簾に腕押し状態のその力を持て余してしまった。
 ところが、だ。夕食時にはプーアール茶を淹れたのだが、食後にふたたび烏龍梅をかじると、プーアール茶の黴(かび)臭さと妙に相性がいいことに気がついた。烏龍梅なのに、予想外のマッチングの良さだ。しかも食べるほどに手が止まらなくなる。ウサギのウンコじゃなくて、その烏龍梅は一度別れたのになぜかヨリを戻してしまった彼女みたいな佇まいで、我が家のテーブルに置かれている。案外、長い付き合いになるかもしれない。