新年早々、ひん剥(む)かれるの巻

 マジかよ!唐突に右足のすねが痺れてきて、ぼくは失速した。走り出してまだ20分強。大晦日のヘロへロ走りの反省から、意識的に休養したのに・・・。
 ハーフマラソンまであと10日と迫り、今朝は6時起床でウォーキング開始。深い藍色から日の出前のオレンジ色へと空のグラデーションが美しい。いいスタートだった。近くの公園で体操後、軽くジョギングしたら割と足が軽かったので、30分ほど走ろうと思った矢先の出来事。
「よりにもよってレース10日前でアクシデントか」「しかも痛めたふくらはぎじゃなくて、新たにすねとは」「いや、右足すねに疲労が溜まっていて、ふくらはぎも痛んだんじゃないか?」「これじゃ2時間は切れないな」「ああ、いままで順調だったのに・・・」
 減速ジョギングに切り替え、キレの悪いオシッコモードで前進しながらもいろいろな思いが噴き出して、気持ちはどんどんネガティブに陥っていく。急に上半身の体温が下がり、背中に冷や汗さえ出ているような気分。
 調子がいいときは誰でもいい。むしろ悪くなったときにどう受けとめられるのか、いかに心を折られないようにするかが大切なのに、まるでダメだな。ノロノロジョグをつづけながら、たましいの脆さをひん剥かれた気がした。すねの異変より、そっちの方が堪(こた)えた。
 それでも歩き出さなくてよかった。しばらくして、おそるおそるスピ―ドを上げるとなんとか走れた。そのまま6割のスピ―ドで10分ほど走って終わり。こんな粘り方ができるようになったのが3ヶ月間の成果で、それは素直にうれしい。今回もまた濃厚な40分で、そして容赦なくひん剥かれた。