NHKハイビジョン「五木寛之・21世紀仏教への旅」(2)〜他者もまた自己である

「なぜ人を殺してはいけないのですか?と問われたら、どうお答えになりますか?」
 五木氏がそう問うと、韓国で生まれたという華厳教のある寺の和尚さんはさらりと答えた。
「すべては同じ根っこでつながっています。だから相手を殺すことは、自分を殺すことなのです」
 うまいこと言うなぁ。それは死と生が表裏の関係で、いかに生きるのかということは、いかに死ぬかということでもあるのと同じ。他者と自己と分けるのではなく、他者もまた自己であるという視点がじつに仏教である。
 8日夜に放送された「21世紀仏教への旅」第二回は、「心をつなぐ教えを求めて」というテ―マで、五木氏が韓国・華厳教の寺を巡り歩く。彼の質問は、数年前に日本で子どもが発したその問いかけに、子どもが納得できるような答をもつ大人がいなかったことを踏まえて投げかけられていた。あの和尚さんみたいな大人が日本にもっといたらなぁ。先日、瀬戸内寂聴さんがテレビで話していた、「子どもがダメなのは、大人がダメだからです」にもつながる。