「大きな嘘はいいが、小さな嘘はつくな」 

rosa412007-01-24

 昨日、NHKドラマ「スロースタート」の脚本家の浅野さんと、演出を担当されたNHKの勝田さんと再会した。まず、浅野さんは、今月号の月刊「ドラマ」の巻頭インタヴュー記事に登場されていることを知る(右上写真)。併せて「スロースタート」のシナリオが一挙掲載されている。それだけ高い評価を得たということで、素晴らしい。
 インタビュー記事の中で印象に残ったのは、彼女が座右の銘にしているという富良野塾倉本聰さんの言葉。彼女は倉本さんが主宰されている富良野塾出身だ。
「大きな嘘はいいが、小さな嘘はつくな」 
 フィクションとノンフィクションの違いはあるものの、「小さな嘘はつくな」はぼくの仕事にも通底する。細部のリアリティ―こそが文章の強度をつくり、奥行きを育てる。
 一方の勝田さんも、局内の評価は上々らしい。ぼくが欠かさず観ている藤山直美芋たこなんきん」の、次の連ドラの演出を担当される予定らしい。おお、これも素晴らしい。ある女優さんから聞いていたのだが、朝の15分の連ドラって、4人のディレクターがチ―ムで演出しているらしい。
 浅野さんが拙著を店頭で偶然見つけてくれたことから、すべてが始まっている。彼女たちはレンタルお姉さんへの同行取材を重ねて脚本を練り上げ、演出に反映させてくれた。ドラマというよりドキュメンタリー的な印象が強いのは、その現場で彼女たちが実際に目にした細部や空気感がうまく活かされているからだと思う。それがシナリオとして、演出として高い評価を得たことはぼくにとっても嬉しい。今後のお二人の一層のご活躍を祈りたい。