E=mc2というロマン

 エネルギーは、質量×光の速度の2乗に等しいことを意味する「E=mc2」。アインシュタイン特殊相対性理論の方程式だ。質量とエネルギーをイコールで結んだ点で画期的発見とされ、ノーベル物理学賞をうけた。
 アインシュタインの軌跡を扱った英国BCCのドラマを観たが、予想外に面白かった。理由はエネルギーという目に見えにくいものを方程式として定着させようとする壮大な企みの軌跡だから。まっ、個別にくわしくは説明できないんだけどね。
 そこにいたる前段階で、銅線を流れる電気と磁気の関係を明らかにし、エネルギーという概念を編み出したファラデーなどの存在など、ドラマは「E=mc2」への物理学の進化を系統立てて、わかりやすいものに仕立てていた。
「神がどうやって、この世を創ったのか知りたい、神の考えを知りたい、その他は(ぼくには)付属品なんだ」 アインシュタインの言葉は、第九を創ったときのベートーヴェンの言葉にもつながる。神にできるかぎり近づくための音楽であり、物理学の法則。う〜ん、物理学ってかなりロマンチック!残念ながら、相対性理論の応用が原子爆弾の誕生へとつながっていく経緯もふくめて、物理学の光と影を思う。