アジアンカンフー・ジェネレーション『ファンクラブ』〜切り口の尖った針金のかがやき

ファンクラブ 
 正月に観た映画『鉄コン筋クリート』のエンディングで流れた、アジカンの歌がカッコよかったから、一度CDを聴いてみたかった。身体はともかく、心は時にメタボリック気味だったりするぼくにはクるな、ガラスの破片みたいに鋭利で濃密な詩、いたずらにバラードを混ぜずに疾走するばかりの旋律は。

尖ったナイフみたいな心で
細長く意味もない日々を削る
積もった過去とか退屈とか
燃えないゴミの日に出して そのまま


宛先のない手紙みたいな
行き場も居場所もない僕らの
摺り込まれた夢や希望は
燃えないゴミの日に出して そのまま


半透明で不確かな膜が僕らの世界を包んでは
5メートルの現実感を
いつかなくして
見失っていって


暗闇の先の霞むような光
負から正への走行性
荒んだ僕は蝶になれるかな


折れる


「バタフライ」より抜粋

 折れ曲がり、歪んでもなお、暗闇のむこうに青空を仰ぎ見ようとする針金。その切り口は尖り、光っている。