NHK「ハゲタカ」第5回〜NHK土曜ドラマの制作力は素晴らしい 

 残念ながら3、4回目の「ハゲタカ」の放送は見逃した。で、5回目を観たけど、やっぱりいいわ。ジグソーパズルみたいにさまざまな要素や人間関係が細かく絡み合いながら、違和感なくひとつの物語としてスリリングに展開していく。ひさびさに息をもつかせない。
 俳優陣では、大森南朋松田龍平が頭二つ分ぐらい飛びぬけている。外資系ファンドに食いものにされた老舗旅館の若い弟役の松田が、ホリエモンを彷彿とさせるネットベンチャー経営者として現われ、ある大手家電メーカーの買収劇に、外資系ファンドの大森と対決する展開はじつにリアル。また父親ゆずりで、なにを考えているのかわからない不気味さが漂う松田がいい。このエッジの立て方は香川照之にも劣らない。ドラマ自体のクオリティはもちろん、「世の中の空気」に迫ろうとする真摯さも、民放の「カレ〜なる●●」なんて足元にも及ばない。次の最終回が楽しみ。