倉敷美観地区にて(1) 

rosa412007-04-09

 平日午後4時半、人通りも少ない倉敷IVYスクエア脇の桜並木をゆっくりと歩いた。地面にはかなり花びらが落ちていたけれど、まだ葉桜ではなかった。東京よりずいぶん南になるのに桜の種類が違うんだろうか。20年以上ぶりの倉敷再訪。学生時代、修学旅行の添乗員のアルバイトで来て以来だ。
 桜並木に少し早めの夕陽がゆっくりと傾き、ちょっとした木洩れ陽になり、地面いっぱいの桜の花びらと少しシンクロした。3日間の取材を終えて岡山空港に向かう途中、空港バスの最終便まで少し時間があったので、倉敷の街を少し歩いてみた。あいにく大原美術館は月曜閉館で観られなかったけれど。
 ただ、そこをあてもなく歩く僕の心を占めていたのは、この3日間のゆったりとした時間と、そこに集う人たちの表情や声、ささいな仕草や、誰に宛てることなく発せられる言葉だった。(つづく)