夕方のジョギングの戸惑いと加速感

rosa412007-04-14

 走り出してみて、身体のだるさに気づいた。全身が重かった。10分、20分と過ぎても、少しも軽くならない。ちょっと嫌気がさしてきた。止まろうか、という考えが浮かんだ。
 なんでオレは走ってるんやろう?とふと思う。誰に頼まれたわけでもないのに、こんなシンドイことを。さらにぼくのスピ―ドは落ちて、ノロノロ歩きめいてきた。
 ・・・・・・ダラダラ生きても、他人ばかりを逆恨みしても、ひとりアクセクしても死ぬのは同じ。それなら、その過程はカッコよくありたい。他人から見てではない、あくまで自分にとってだ。何かにドキドキしていたいし、いのちを燃やしたい。「ああ、たしかに今、おれは生きている」という感覚をわしづかみにしたい。いつか身体は否応なく動かなくなる。だから、それまでは動かしていたい。
 そこまで順をおって気持ちの整理がつくと、ストンと腑におちた。すると面白いことに急に加速する。腿が上がり、身体が軽くなり、過ぎていく目の前の風景が早回りする。走っているとコレがある、だからクセになる。いったん、そのギアが入ると、遅いなりに最初の自分とは別人みたいな世界に入っていける。
 自分が普段ここまで加速する感覚を、味わえる瞬間は数えるしかない。恋愛中か、仕事で言えば、手ごたえのあるインタヴューへとふいに展開する時間帯ぐらいか。