白痴かと思う自分と我慢強く向き合う 

rosa412007-04-25

 五年ぶりぐらいで、ベランダの山吹の鉢が花をつけた。女心と秋の空以上の気まぐれぶりだ。しかも1本の茎だけに、わずか3つの花だ。しっかり愛でてやろうと洗面台に飾る。真綿色のハナミズキと山吹色の山吹。ぼくの好きな花が咲き誇る季節だ。
 夕食後にキーボード練習30分。昨日に引き続き、宇多田ヒカルの『COLORS』の両手弾きを練習。まったくオレは白痴かと思うぐらいに左手が弾けない。右手の主旋律の音符に、左手のわずか1音がうまく合わせられないんだ。ほとほと自分のセンス、というか知能の低さを思い知らされる。溜息しか出ない。
 ただ、両手に悪戦苦闘してから、右手だけで主旋律と弾くと妙に簡単に思えるのも面白い。苦しみや喜びとは、このように相対的であいまいなのだ。
 これから老いぼれていくと、今度は日常の動作がこんなふうに思い通りにできなくなるんだろうなぁ。そう思うと、これは頭のリハビリであると同時に、老化へのイントロダクションでもある。ある意味、一挙両得と考えるのは、あまりに我田引水か。4月の夜、洗面台の山吹を思いながら、白痴めいた自分と30分我慢強く向き合う。