3周遅れ!?の年金問題取材で見えてきたこと 

 残りものには福がある、と単純に喜んでいいんだろうか。
 マスコミ各社がこぞって、年金問題についての報道を繰り広げている。ただ、どうも違和感をおぼえた。社保庁バッシングと責任者探しばかりに偏向している気がしたからだ。あるいは、「国民はこんなに怒ってるんだぞ!」みたいな映像を流して煽りながら、その国民にとって必要な情報、あるいは考えるべき情報については伝えてないと思った。
 そんな折、取材の話をいただいたので、僕なりに3周遅れぐらいで調べて、2人の方にお話をうかがってみた。すると、そのお二人ともが異口同音に「社保庁叩きより、もっと大切なことがあると思います」とおっしゃった。
 実際にお話をうかがってみて、一人の視点で取材するだけでもできることはあると改めて痛感させられた。ご興味がおありの方は、日経BP-netの年金特集をご参照ください。今週、年金問題関連では、もう一人お会いする予定です。 
 そのうちの一人の言葉が耳に残っている。「テレビのニュース番組に、図まで書いて丁寧に説明したんですけど、『先生、こういう難しいのは、視聴者がわかんないんで結構です』と言われちゃったんですよ。そんなに難しいですか?」と、逆に聞き返されてしまった。