なぜかゲイカップルな火曜日 

rosa412007-06-26

 あのなぁ、たぶん、あのお姉さん、俺たちのこと、ゲイカップルやと思ってたわ。友人と2人、お揃いの銀色ママチャリで五反田駅近くの疾走しながら、その友人が言う。
 フフフフフッ、たしかに平日の昼下がり、普段着の野郎2人でチーズケーキとパンナコッタに、酵母パン2個を買物してたら、カタギの人間だと思う人は少ない。しかも、俺は黒のTシャツに膝丈のカーキー色パンツ、ナイキの黒シューズに、踝(くるぶし)丈の赤い靴下。ガタイ良くて日焼けしてる。一方、百貨店勤務の友人は、色白で白髪隠しの茶髪、少し疲れ気味の優男で、チェック地の長袖シャツに白のチノパン姿。どっから見ても、俺がタチ(男性役)で、友人がネコ(女性役)だな。
 都内のタワーマンションに引っ越した友人を訪ね、まず五反田の韓国料理屋で昼飯を共にした。そのマンションには無料のレンタルママチャリが、しかも「チャーリー」という新宿2丁目風なネーミングで1階に置かれていて、その二段変則機付きで、小雨の中を出かけていた。昼飯をおごってもらったので、新居にうかがう前にささやかな手土産でもと、先の京豆腐屋が経営する酵母発酵パンの看板に惹かれて買物をしたのだった。
「いやだぁ〜、あの人たちったら深夜勤務で、たぶん今頃起きたのよ」
「それでさぁ、2人で仲良くケーキとパンでブランチなんじゃな〜い」
「きゃあ〜、ラブラブじゃ〜ん!」
 ・・・・・・ぼくらが店を後にしたパン屋の盛り上がりぶりを、こんなふうに妄想してみた。その昔、2丁目にある陽気なゲイバーの店員で、デザイナー志望のOさんにけっこう気に入られていたことを思い出した。帰宅後、奥さんに話したら弾けるようにウケていた。